2017年1月23日月曜日

高齢者風俗嬢

60歳を超えた超熟女の風俗嬢が増えているという。なかには80歳超えも⁉しかも客は若者⁉



風俗嬢の人気は若さと美貌で決まる、というのは昔の話。
現在は、60歳を超えた超熟女たちも現役で頑張っているという。
本書は、そんな高齢風俗嬢たちの実態に迫るルポルタージュである。

著者は、「16歳だった~私の援助交際記」(幻冬舎)で100人近い男との援助交際やドラッグ体験を衝撃告白した女性である。
その後、22歳のとき未婚で子どもを出産し、アダルト系のライターとなり、現在は編集プロダクションを設立している。

医学部へ進学した子どもの学費を稼ぐために風俗で働く46歳の熟女。
60歳を過ぎてからAVデビューした昭和11年生まれの超熟女優。
60分15000円~のお店で働く自称82歳のデリヘル嬢。
AVの撮影現場に向かう途中、倒れて救急車で運ばれた67歳の現役女優。
と、年齢もさることながら想像の上をいくインタビューが続く。

1000人男がいたら1000通りもの好みがあるそうで、超熟女たちも需要があって意外と人気なのだという。
「昭和のおもてなし」で客の心を掴んだり、みだしなみに気を配ったりと、彼女たちも努力を惜しまないそうだ。
なかにはフィストまでOKの強者も‼

また、女性の外見や雰囲気により客層は異なるという。
ある方は年上のおじいさまが多くつき、ある方は30~40代の客が中心で、またある方は20代がほとんど、という具合に。
18~20歳の男の子に人気の60代の超熟女もいるというから驚きだ。
癒しを求めているのだろうか?

気になったのは、著者が「女性が風俗の仕事を楽しんでどこが悪いのか」というスタンスで書いている点だ。
シングルマザーで忙しく子どもの世話ができないなら、パートの安月給より短時間高収入の風俗の方がいい、元気な貧困老人なら福祉に頼らず風俗で働いた方がいい、そう勧めているように思えてならないのだ。

確かに本書に登場する超熟女たちは、イキイキとしている。
若い男の子と接して高収入を得られる、女性ホルモンも分泌されますます若返る…それは事実なのだろう。
ただ、その陰で風俗で働くことにより、心身ともに傷ついた女性も大勢いると思うのだ。
病気感染のリスクや、密室で見知らぬ男と接する危険性もある。
家族にバレて家庭が崩壊するかもしれない。
そういった危険性も併せ持つことをもう少し突っ込んで欲しかった。

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