扶桑社
おらも、「あまちゃん」が大好きだ!じぇじぇ!熱くなりすぎて長くなっちまった!許してけろー!
「暦の上ではディセンバー」(㊟1)じゃなかった、セプテンバーである。
じぇじぇっ!
ということは今月で大好きな「あまちゃん」が終わってしまうではないか。
クドカンが脚本ということで、普段は見ない連続テレビ小説を見始めたら日に日にハマっていき、もう「あまちゃん」なしでは生きていけない体になってしまったのに。
夏の甲子園でも演奏されていた、軽妙なオープニングから始まって、
人の心理状態まで詳しく説明してくれる、笑えるナレーション。
琥珀のように磨かれた達者な演技を見せてくれる、劇団「大人計画」を始めとする役者たち。
元アイドル志望でスケバンだった役がぴったりの、アバズレ感漂う小泉今日子。
そして「こんな子がいたんだ!」と感動すら覚える、透明感溢れる能年玲奈。
全てが魅力的で、老若男女問わず夢中になるのも頷ける。
NHKという制約の中で、どれだけクドカンらしさが発揮できるのか。
当初、そんな不安を抱いていたが、実際に見たら杞憂だったとすぐにわかる。
80年代と現在、北三陸と東京、時間と空間を行ったり来たりしながら、お得意の小ネタを散りばめて笑って泣ける最高のドラマになっている。
なにせ、小池徹平扮するヒロシの登場シーンでは「ガラスの部屋」をBGMに「ヒロシです」と暗く登場したのだから、驚くではないか。
花巻さんが、「海女~ソニック」というふざけたネーミングのイベントで、フレディ・マーキュリーをヒゲ付きで演じたのも大笑いしたなぁ。
トシちゃんのそっくりさんも「ちゃんちゃらおかしいわ」(㊟2)と笑えたが、三又又三はマニアックすぎないかとちょっと心配になった。
海女カフェの改装シーンで、「ビフォーアフター」のBGMとともに「なんということでしょう」のナレーターまで入る細かさには、やるなぁと唸ってしまった。
一番びっくりしたのは、「ザ・ベストテン」を模した番組「夜のベストヒットテン」だ。
くるくる回るランキングボードの前で、久米宏風の糸井重里と共に登場した清水ミチコが黒柳徹子の物まねをしながら、玉ねぎ頭から「あめちゃん」(㊟3)を取り出した時には、大笑いしながらNHK(とTBS)の懐の深さに感動すらした。
海女だ、アイドルだ、「地元へ帰ろう」(㊟4)だとは節操無いなぁとか、若いのにどうして回らない鮨屋に入り浸れるの?とか、突っ込みどころ満載でもある。
で、やっと本書である。
「あまちゃんファンブック」とあるように、NHK非公認ながらファンには嬉しい情報が詰まっている一冊だ。
「あまちゃん」の人物相関図やあらすじから始まって、
ファンでもちっとも面白くなかった漫画「ファイナル勉さん」、
私は萌えないけれど興味深い「ミズタク萌えとは何か」
岩手県知事のインタビュー「アマノミクスでじぇじぇじぇ改革を」など、
てんこ盛りの内容となっている。
数々の著名人が「あまちゃん」愛を熱く語っているページでは、「んだんだんだ」(㊟5)と頷きながら、
「ずぶん」(㊟6)または「いっぱぁんだんせい」(㊟7)の凛々しい写真に見とれながら、
ロケ地巡礼ルポでは、「観光協会が入っているビルは旧駅前デパートで2階以上は現在無人」など、マニアックな情報にへぇ〜ボタンを連打しながら、
まるごと一冊堪能させてもらった。
そして、「小ネタ集解説」コーナーは必見だ。
ユイちゃんの元カレの小太りな愛犬家は、「ファブリーズ」のCMでピエール瀧の長男役だった・・・など、どうでもいい小ネタから、
ヒビキ一郎の連載コラム「俺はみとめねぇ」はチラッと映っただけの単なる小道具なのに、もったいないぐらい完成度が高い・・・など、凄い!と感嘆するものまで幅広く収録されている。
「あまちゃん」には、情報過多気味なほどわんさか小ネタが詰まっているが、それに気づかなくても十分楽しめる。
私自身もきっと気づかない小ネタがたくさんあっただろう。
「あまちゃん」ファンの友人たちと、「この間ミズタクがハンガー構えて、太巻が『武田鉄矢かっ』って突っ込んだのは『刑事物語』パロってたね」などと情報交換して知識不足を補っている。
ただ、幅広い教養を持ち、小ネタにたくさん気付いた方がより楽しめるのだと思う。
まさに、「わがるやつだけわがればいい」(㊟8)のだろう。
まだまだ、「ウーロンハイ焼酎抜きで」とか、「すまださん引っ越すますたよ」「女優が訛っていいのはあき竹城だけ」「アキちゃんのファーストキスを奪いそうになった前髪クネオ」とか話したいことは山ほどあるが、長くなってしまったので残念ながらおしまいにしよう。
最終回まであと「勉さんが一人、勉さんが二人・・・」(㊟9)と数える毎日である。
ああ、この甘くてしょっぱい「まめぶ」(㊟10)のような日々が、もうすぐ終わってしまうのが本当に悲しい。
今から「ペットロス」ならぬ「あまちゃんロス」になってしまうのではないかと心配している。
※独りよがりの長いレビューになってしまいました。
「まだまだあまちゃんですが・・・」(㊟11)、これからもよろしくお願いします。
㊟1「暦の上ではディセンバー」…あまりに適当な歌詞に思わず脱力してしまうアメ女の歌。
㊟2「ちゃんちゃらおかしいわ」…鈴鹿ひろみの口癖。「じょじょ!」は奇妙な冒険だった。
㊟3「あめちゃん」…大阪のおばちゃんの必需品。このシーンは清水ミチコのアドリブらしい。
㊟4「地元へ帰ろう」…GMTのデビュー曲。癒し系の喜屋武ちゃんが好き。
㊟5「んだんだんだ」…スーパーマリオブラザーズで地下に入った時の音楽。「弥生さん、もっとコインとれ!」
㊟6「ずぶん」…南部ダイバーから板前見習いに転職した元仮面ライダー。
㊟7「いっぱぁんだんせい」…ルパン三世とも言う。
㊟8「わがるやつだけわがればいい」…伊勢志摩扮する花巻さんの口癖。
㊟9「勉さんが一人、勉さんが二人・・・」…眠れぬ夜に数えるといいらしい。
㊟10「まめぶ」…あんべちゃんの得意料理。食べてみたいかは微妙。七味は少なめ希望。
㊟11「まだまだあまちゃんですが・・・」…エンディングの写真は9/7まで募集していた。
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