暗くなるまで贋作を
ヘイリー・リンド著
岩田佳代子訳
創元推理文庫
芸術が幻影にすぎないなら、何ゆえ贋作は悪しきことなのだ? ―――「世界的贋作師による一家言」より
私はアニー・キンケイド、32歳独身。
世界的贋作師の祖父に鍛えられた絵画の腕を武器に、日々画家兼疑似塗装師として奮闘しているけど、なかなか請求書の山は減ってくれない。
今日も、絵の具だらけの服にボサボサの髪を適当にまとめて絵筆でとめている。
だって、今朝も時間がなかったから。
今は、墓地に隣接する納骨堂の壁画を修理しているの。
そんなある日、納骨堂にラファエロの真作があると打ち明けられた。
贋作撲滅師の捜査の手がおじちゃんに迫っているから私が阻止しないといけないし、墓場泥棒には遭遇するし、その上死体まで発見してしまう!
一体どうなっているの?
私は普通に暮らしているつもりなのに・・・
「贋作と共に去りぬ」 「贋作に明日はない」 に次ぐ贋作シリーズの第3弾。
久しぶりにアニーに再会して、ちょっとは落ち着いたかと思えば、全然成長してないんだからと思わず苦笑してしまう。
今回も相変わらず無鉄砲で、ドタバタ慌ただしく嵐のように走り回っていた。
そこがアニーの魅力でもあるのだけど。
あっ、でも携帯を充電するようになったのは成長かもしれない。
長身で高級スーツを身にまとう堅物お金持ちの大家さん・フランク。
正体不明の遊び人風でセクシーな元美術品泥棒・マイケル。
アニーを取り巻くイケメン2人との恋の行方も目が離せない。
本作でフランクの意外な過去が明らかになったり、仕事面で急展開を迎えたりと、
これからどうなるのかやはり次作が気になってしまう。
またまた絶叫マシーンに乗せられ、キャーキャー悲鳴を上げている間に終わってしまったようだった。
今度こそ落ち着こうよ、アニー。
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