2011年8月5日金曜日

東京考現学図鑑

東京考現学図鑑
今和次郎・吉田謙吉

泉 麻人編著
学研




大正・昭和の道行く人々を調査した本。考古学ではなく、考「現」学。銀座で、道行く人々をあらゆる角度から分類・集計する。すっぴん・薄化粧・厚化粧や、内股・外股・まっすぐ、着ているもの、手荷物、ひげ、髪型・・・郊外の統計や、井の頭公園の統計など、細かく調査しているものを、泉麻人の解説で読む。

よくこんなこと考えついたなと感心した。細かい図・絵付きで、鋭い観察眼に脱帽。ただ、すれ違った人を一瞬で判断できるのかな?
でも、今現在は難しいと思う。ナチュラルメークの人を、男の人が一瞬で薄化粧・厚化粧と判断できるのか?
職業も細かく分かれていた。職人・勤め人・学生・商人・女中って。今なら、クールビズ・ノーネクタイ・カジュアルデーなどがあり、学生・社会人の区別もつかないのでは。リクルートスーツの学生はわかるかも。
あと 、やっぱり昔は、ハレとケがくっきり分かれていたんだなぁと思う。今はTPOもあやしくなってるし。
口をぽかんとあけている人が多かったというのも面白かった。差別的発言も満載で、ストーカーまがいの行為も。今は不可能な調査で貴重な資料と思う。

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