柳 広司著
文藝春秋
時代は昭和8年。華族の清彬は帰国子女。奔放な両親とパリで過ごしていたが、事故により孤児となり帰国。ロシアの血が混じる彼は、異端児だったが、同じく華族の嘉人と親友になる。嘉人の妹万里子・執事・特高などの登場人物が時代背景に花を添える。
私の好きな華族の話・「ジョーカー・ゲーム」の柳広司著となれば読まないわけにはいかない。
物語は静かに進んでいく。主人公の日常などから、この時代がよくわかり、面白い。自他共に認める異端児・清彬。生い立ちや血は関係ないのにと言えるのは、現代だから。この当時はそんなこと言ってられなかった。
深窓の令嬢だけれども、意志の強さを持つ万里子。ダンス教師と遊ぶ男爵夫人。執事・運転手・特高・・・この世界が好きです。抑制された感じがいいのかな?
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