穂村弘・角田光代著
河出書房新社
恋愛とは、自分に都合のいい錯覚と思い込み、そして自己満足だっ! 「今、恋愛しています」という方に最適の一冊。
中高生と話をしていると、その恋愛事情に驚くことが多い。
特に、彼らの「おつきあい」の短さには呆れるばかりだ。
「部活で忙しくて会えないのが嫌だと1週間でフラレた」(高1男子)
「3日で別れた」(中3女子)
そんな短期間で相手の何がわかるんだっ!それは付き合ったうちに入らないっ!
と昭和生まれの元少女は叫びたくなってしまう。
(実際は黙って聞いているだけだが)
そんな彼や彼女たちにおすすめしたいのがこの「異性」(穂村弘・角田光代著:河出書房新書)
本書は、歌人の穂村弘さんと作家の角田光代さんが「恋愛」について語ったリレーエッセイ集である。
往復書簡のように交互に語る彼らが、実体験に基づいて恋愛を分析していく。
「おごるか、割り勘か」
「家まで送るか、送らないか」
「別れた人には不幸になって欲しいか」
そんな人類永遠の難問について語り合う。
自称モテない・さえない男女だからこその考察力がすごいのだ。
さすが文章のプロといった思わず膝を打つような表現と、観察眼の鋭さに唸ること必至である。
角田さんの意見に「そうそう」と頷きながら、そして穂村さんの意見に「えーっ!そうだったの!」と驚きながら、今まで頭の中でモヤモヤしていたものがどんどんクリアになっていく。
そうか、そうだったのか。
例えて言うなら体の調子が悪くて医者に行き、病名を付けてもらったらすっきりしたような感じだ。
男女の思考とはここまで違っているのか。
その意識のズレが、明らかになっていくごとに恋愛経験値が上がっていくような気がする。
(いや、今さら上がってもしょうがないのだが)
男女がお互いをもっと理解するためにはとてもおすすめの本だ。
印象に残った言葉(本書より抜粋)
・男にとって、かつて交際した女性たちは「俺の女」資産目録に載っている。
・スマートな人ほど、過去、密な関係にあった女性たちに何か教え込まれてきたのだろう。鞄持ってあげるよと、ごく自然に言う男性は、もしかしたら十数年前、「男は女の鞄を持つものよ」と教えられたのかもしれない。
※「今まで、好きな相手にやってみせたもっとも熱い行為」は何かという話題で、「300本の薔薇のプレゼント」「作詞作曲した自作テープ」などがあげられていた。
貰った方は喜んだのだろうか?貰ったあと、それをどうしたのだろうか。
まぁ、大好きな人には何をされても嬉しいだろうし、そうでもない人からされたら迷惑なのだろうが。
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