2013年1月20日日曜日

封印されたアダルトビデオ

封印されたアダルトビデオ
井川楊枝著
彩図社

撮影されたものの封印された映像。そこにはどんな理由があったのだろうか。



年間2万タイトルが流通しているというポルノ大国・日本。
その中で撮影されながら密かに消えていく作品がある。
リリース直前になって発売できなくなった、あるいは一度は店頭に並んだものの回収されることになったAV。
そこにはどんな理由があったのだろうか。

フィリピンのイースターでイエスの受難と同じ痛みを体験するという磔の儀式に、M男優の観念絵夢が志願し「癌の弟のために願掛けする日本人」と報道され(もちろん嘘)、国民の共感と感動を誘ってしまった事件。
(国民的宗教行事を汚しちゃダメでしょ。)

自衛隊駐屯地でのお祭りのイベントで、許可を得てトンでもない催しをし撮影までした後に、上層部には話が通ってなかったと言われ、発売を諦めざるを得なかった事件。
(現役自衛官のモラルの低下には呆れるばかり!)

ジュニアアイドルのイメージビデオをどんどん過激にしていき、とうとう逮捕者が出た事件。
(子供を食い物にする大人、親は決して許されるものではない!)

その他、露出・盗撮など犯罪に関わるもの、有名人に似せすぎたもの、女優に問題があったもの・・・。
本書は、そんな様々な理由により発売禁止となった19作品の裏事情を解説したものである。

うぇっ、と思わず声が出てしまうような話からよくそこまでやるなぁと思う話まで、もう盛りだくさんで、目が白黒してしまった。

表の世界では、
顔写真入りの身分証を提出できない者。
18歳以上でも高校に在籍している者。
20歳未満で保護者の承諾が無い者。
は出演できないとされているらしい。
しかし、なんでもアリの裏の世界ではそんなのあってないようなルールだろう。

人には様々な好みがある。
なのでAVもそれに合わせて多種多様な物が発売される。
けれど、原則は視聴者のおかずになるか否か、欲情させてくれるかどうかである。
そう思い込んでいた私はなんて世間知らずだったんだろう。

この本に何度も登場するバクシーシ山下監督は、常識を打ち破るような「女犯」(バッシングされ大論争を巻き起こした)や「初犯」(ビデ倫の審査に引っ掛かりお蔵入り)、そしてカニバリズムを扱う「全裸のランチ」と、欲情なんて考えられない、想像を超えた衝撃の作品を撮影している。
商業ベースに乗るわけだから、すなわち購入し視聴する人がいるわけで・・・
ああ、全く理解できない。

人とは、人生とは・・・
まだまだ修行が足りないようだ。

人間について考察したい方、衝撃を受けたい方におすすめの一冊である。

※先日大島優子やももクロのあーりんが過去にジュニアアイドルとして、イメージビデオに出演していたことが明らかになった。
水着姿で無邪気に遊んでいるだけだが、不自然なカメラアングルや書店の成人コーナーに陳列されていることから、どういった意図で作られたのかは明らかだろう。
子供の性を食い物にする大人は厳しく罰して欲しいと願う。

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