2016年11月25日金曜日

去就: 隠蔽捜査6

理想の上司No.1 ⁉ 隠蔽捜査シリーズ第6弾。




警察官僚・竜崎が官僚らしからぬ魅力を発揮する隠蔽捜査シリーズの第6弾。

警視長・竜崎伸也。
原理・原則に則り、合理的が一番との信念を持つ。
人付き合いが苦手だが、なぜか皆に慕われている。
竜崎と周りとのやり取りが、ちぐはぐで面白い。
……

いくら言葉を連ねても、竜崎の魅力は読んだ人にしかわからないので、もうこれ以上は控えよう。

そんな竜崎が署長を務める大森署で「ストーカー対策チーム」が編成された。
その矢先、ストーカーの相談に来ていた女性が誘拐・略奪されたとの一報が飛び込んできた。
そして、相変わらずマイペースの竜崎がいつも通り収める話で、もう水戸黄門のようなマンネリと化している。
偉大なるマンネリである。

大好きなシリーズなので、このままマンネリを続けて欲しい。
いや、周りが何を言おうと竜崎はマンネリを続けるに違いないのだが。

※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~
前に「隠蔽捜査」のテレビドラマを観たことがあった。
やはり竜崎の魅力を映像で表現するのは難しいようで、伝えきれてないと感じた。
ただ、小説とは違うドラマの世界だと割りきって、それなりに楽しめた。
ドラマ以降初めてこのシリーズを読んだのだが、どうにもドラマの役者さんがちらついて困ってしまった。
変わり者の刑事・戸高の安田顕さんはイメージ通り、竜崎の幼なじみ・伊丹刑事部部長の古田新太さんはそれなりに横暴な感じが出ていたのだが、主人公の竜崎が杉本哲太さんというのはイメージと全く違ったのだ。
杉本哲太さんと言えば私の中では「あまちゃん」の大吉さん。
「あまちゃん」には古田新太さんも出演していたので、読書中、あまちゃんのイメージが溢れてきて困ってしまった。
好きなシリーズがドラマ化されるのは嬉しいが、弊害もあるのだなと感じた。

W/F ダブル・ファンタジー

ダブル不倫・ときどきつまみ食い。物議を醸した恋愛小説。



発売当初物議を醸したこの本を、この時期に急いで読んだのにはワケがある。
週刊文春で、続編の連載が始まったのだ。
この「ダブル・ファンタジー」が連載されていたときにも文春は読んでいたが、スルーしたのが今となっては悔やまれる。

いつだったか、ある週刊誌(どの週刊誌かわからない)で連載されていた村山さんの「なんちゃら」という小説に(題名も思い出せない)はまったことがあった。
その小説の中の一人がホントにいい男で、アウトローな雰囲気を醸し出したイケメン(想像)だったのだ。
連載が終わってしまって、どんなに嘆いたか!
ストーリー展開しなくていいから、イケメン描写だけでも永久に続けて欲しかったくらいだ。

それから村山さんに興味を持ち、今回の連載を読もうと思ったのだが、私はどうにも続きや続編から読むことに抵抗があり、だから色んな事をすっ飛ばしてでも本書を読もうと思ったのだ。

主人公は35歳の脚本家・奈津。
性的欲求が強い奈津は、既婚者ながら様々な男性と恋愛を重ねていく。大御所の脚本家や、学生時代の先輩とのダブル不倫。
そしてお坊さんや俳優、挙げ句の果ては出張ホストまでつまみ食いしていくという物語である。

簡単にいうとたったそれだけの恋愛話を494ページにまで膨らませ、一気に読ませるのだからすごい。
丁寧な心情描写と独特のキレイな表現はとても新鮮に感じた。
中央公論文芸賞・柴田錬三郎賞・島清恋愛文学賞のトリプル受賞作でもある。

でも、共感する部分はいくつかあったものの、残念ながらいまいち話に乗れなかったのである。

せっかくいい男とくっついたのに、他の男にいってしまうなんて。
結局、奈津はどんな男だろうと飽きて別れてしまうんじゃないの。

そう考えて、冷めた目で奈津を見てしまったのだ。
男女の関係は、ジェットコースターのような激しいものよりも、穏やかで安らげる方がいいと私が考えるのは、恋愛戦線から離脱して久しいからなのかもしれない。
ベタな甘い恋愛ものは好きなんだけどな。

インタビューでご自身も「欲求が強く、淫乱だと思っていた」とおっしゃる村山由佳さんは、現在52歳。
40歳過ぎてからタトゥーを3箇所に入れたりと、まだまだ現役感ムンムンで、2度の離婚を経て現在新たなパートナーと同居中なんだそう。

そんな村山さんが「行き止まりのない性愛を描き尽くす」という続編は、「ダブル・ファンタジー」から9年後。43歳になった主人公・奈津の恋愛が再び始まるのだ。

今は、「体以上に心が満ち足りている」という村山さん。
円熟した大人の関係を築くのか、それともまたまた激しい欲望の渦に巻き込まれるのだろうか。



※裏表紙を見てびっくり‼
ヘアヌードだったのです。
これではカバーなしで読めません。

※本書が「ダブル・ファンタジー」、続編の題名は「ミルク・アンド・ハニー」。
ジョン・レノンとオノ・ヨーコだったんですね。

2016年11月14日月曜日

飛田をめざす者: 「爆買い」襲来と一〇〇年の計

耳年増になってどうするんだろう!現場復帰した著書の飛田シリーズ第3弾。

杉坂圭介著
徳間書店



※飛田新地とは、大阪市西成区にある料亭という名の「ちょんの間」が160軒ほど集まる一帯を指す。
料亭では、ホステスさんと客が偶然にも恋愛関係になって遊ぶという、なんとも都合のいいシステム。
料金は飲食代という名目で、15分11000円~。

「飛田で生きる」「飛田の子」で料亭経営者・スカウトマンとして、飛田を見つめてきた著書の飛田シリーズ第3弾である。

女の子のスカウトマンをしていた著書は、仕事に行き詰まりを感じ実家に戻っていたが、誘われて今度は共同管理者として再び飛田に戻ってきた。

国際化の波が飛田新地にも波及し、著書はインバウンドを取り込むべく奮闘する。
スマホの翻訳機能を使いながら交渉したり、元CAの「女の子」を雇い入れ、徐々に外国人客を増やしていく。
最近は中国人観光客のツアーにも組み込まれ、ハルカス・通天閣に行ったあと、女性は免税店、男性は飛田というコースがあるという。
禁止の写真撮影をしたり、女の子に対する乱暴などトラブルも増えてるらしいが。

「なんでこんなところで働いてるの?」
「真面目な子は、こんな仕事したらだめだ。」
「趣味と実益を兼ねてるんじゃないの?」
女の子に対し、終わったあとにそんなことを言う客も多いのだそう。
著書は、「お世話になっておきながら感謝せず、その仕事を否定し、アホな上から目線で説教を始める男の不愉快な言葉に、女の子たちは傷ついている」という。
男性客は、そんな野暮なこと言わずにとっとと終わらせて(早いのが一番喜ばれる)、「いい人でよかった」と思わせるようにしたら一生懸命サービスしてくれるというから、参考にしてみたらどうだろう。

女の子が稼ぐコツは、
・微笑むこと、姿勢をよくすること、大きい声を出すこと。
・自信をもって、全身でお客様に笑顔を振り向ける。
・技術よりも客の心をつかめ。
ふむふむ。
なるほど。
って、無駄に耳年増になってしまうが、いつか役に立つだろうか。

飛田新地のことを知らなかった頃が懐かしい。
あの頃は、
そんなところがあるのか!
違法じゃないのか!
男はそんなんで満足するのか!
と初めて知る実態に驚いてばかりだった。
今は、読みやすい文章に惹きつけられ、サクサクと読み進めてしまったが、これでいいのだろうかと暗澹たる思いが残るのである。

それにしても、男は全て含めて15分で本当に満足するのだろうか?
虚しさだけが残る気がするのは私が女だからなのか?
いくら読んでもそこだけは全く理解できないのである。
そういうところに通う男性は、そこら辺のおばちゃんたちにご奉仕して、あんなところやこんなところを舐めまわすことができるのか、一度想像してみて欲しい。

※本書で驚いたこと

・杖をついたおばあさんの「女の子」がいまだに現役で、根強い固定客がついている。

・飛田新地は生活圏内から隔離された場所にあるが、松島新地(大阪市西区)は街中に溶け込んでいて、お店とお店の間に普通の家やマンションが建っているという。
獲物を狙う女の子が微笑む店の前を、学校帰りの小学生や買い物中の主婦、そして品定めするギラギラ男性が通るカオス‼

2016年11月8日火曜日

ピカソになりきった男

その絵画、本物ですか?贋作者が語る贋作の作り方。

ギィ・リブ著
キノブックス



「その朝、俺はピカソだった。」という一文で始まる本書は、贋作作家として、ピカソ、シャガール、マティスなど有名画家の贋作を製作していた男の告白である。

1948年フランスで生まれたギィ・リブは、娼館を営む両親のもとで、教養・芸術の類いとは無縁に育つ。
その後、家出して路上生活をしながら荒んだ生活をしていた。

そんなギィ・リブだが、幼い頃から絵を描くことが好きで、巡りあった人々から審美眼を学び、図案師の修行などで絵画の腕を鍛えていく。

その後、贋作製作の道に進んでいくのだが、贋作といっても本物の模写だけではない。
画家が「描いたかもしれない新作」までをも生み出すのだ。

本書のクライマックスはその製作過程にある。
「良い贋作を作るには、偽造するアーティストについて、そのテクニックから、彼個人と周りの人の話まで、完全に知らないと不可能だ」と語るギィ・リブは、ありとあらゆる文献を漁り、その当時の画家の心理状態まで調べ上げ、当人になりきる。
画材ももちろん当時のものを使い、古く見せる工夫をする。
読んでいると、その努力、その飽くなき探究心、その憑依ぶりに感動すら覚えてしまうのだ。
でも残念ながら、その努力の方向が間違ってるのだが。

画家のサイン、証明書、画商の暗躍……
アートの世界の伏魔殿ぶりにも驚くばかりだ。
自分が模倣されているのを知りつつ順応している画家や、画家同士で模倣しているケースもたくさんあるらしい。
画家本人が贋作を本物だということすらあるのだから、もう何がなんだかわからなくなってくる。
この世界に「絶対」はないのだろうか。

ギィ・リブの贋作の多くが、現在もなお「本物」として市場に流通しているのだという。
あなたが感動しているその絵画も、もしかしたら贋作かもしれない。

※読んでいると必然的に彼の「作品」を見てみたくなるのだが、検索しても出てこなかった。
当たり前か……

2016年11月7日月曜日

頸椎症、首こり、肩こりに! 山田朱織のオリジナル首枕 Plus (主婦の友ヒットシリーズ)


私の首痛顛末記。首まくら、オススメです
山田朱織著
主婦の友社
 



あれは10年ほど前のことでした。
跳躍力に自信があった私は、ある場所で助走をつけてジャンプしたのです。
そこは石畳の広場で、私はスカートにミュールという格好でした。
ジャンプしようとしたその瞬間、足元が滑り体が一瞬宙に浮き、地面に叩きつけられました。
その時、背中と後頭部を強打してしまいました。
誰かに強要されたわけじゃなく、むしろ皆が止めたにもかかわらずジャンプしたのですから、100%自己責任です。
その時からむち打ちのような症状に悩まされ、鍼灸院に通いながら何とかやり過ごしていました。 

そして2014年の夏、ある方から形も座り方も特殊な椅子を紹介されました。
姿勢が良くなり、首の痛みも改善するかもと期待を込めて、1週間無料で試してみることにしました。
その椅子と私との相性が悪かったようで、座り始めて23日で首が痛くてたまらなくなりました。
一番ひどいときは、立っていると1時間ほどで耐えられなくなり、2時間横になるというのを繰り返していました。
その椅子はすぐに返したものの、それ以降首の痛みがひどくなるばかりでした。
自分の姿を鏡で見ると、首が横にずれて、首の筋や鎖骨が左右でだいぶ違うのがわかります。
どうやら歪んでしまったようです。(今も歪んだままです。)
カイロプラクティック、整体、鍼灸院と掛け持ちをしても良くならず、それでもあちこち通いながら、一生このままだろうかと落ち込んでいました。 

そんなとき、本屋さんで目に飛び込んできたのが、本書の前に販売された「頸椎症、首こり、肩こりに!山田朱織のオリジナル首枕」です。
 

 
最初はこんなものでよくなるのか半信半疑でしたが、「巻くだけで首の悩み解消!」の文字に藁にもすがる思いで購入しました。 

「整形外科医であった父が考案し、母が手作りで作っていた」というものを著書が改良したオリジナル首枕が付録としてついています。 

ベルト状になった首枕を首に巻くと
・首の負担を軽くし、しっかり支える
・医療器具である頸椎装具とは違い、首が自由に動かせる。
・首まわりを温め、血流がよくなりコリや痛みが楽になる。
というのです。
 
さっそく巻いてみると、アゴクイされたように顎が上に上がる感覚になりました。
それまでの顎の位置が下に向きすぎていたようです。
違和感はありましたが、とりあえず装着していると、痛みが和らぎとても楽になりました。
それに、首が正しい位置に矯正される気がします。
肩こりも少し改善されました。
自覚はなくても肩が力んで上に上がっていたのが、首枕によって下に下がったおかげかもしれません。
これはいいと直感し、続けることにしました。 
首枕を装着してから、首の痛みが劇的に軽減されました。

でも、取り外しができるカバーは洗濯可能とはいえ、乾かしている間にも使いたい、傷んだり破れたりしたとき用に予備も欲しいと思い、もう一冊買おうとネット書店を覗いてみると、同じ著書のタオルを使った首まくらが紹介されている本を発見しました。
タオルなら毎日洗えるし、気軽に替えられると早速その本を購入しました。
 


こちらの本には、首の構造から首枕の利点までより詳しく解説されていて、タオルを折って自分で首枕を作るやり方も載っていました。
早速実践し、家ではタオル首枕、外出中は痛くなったら装着するために紺色の首枕をカバンに忍ばせています。 

そして最近、「首枕Plus」が出たことを知り、また購入したのです。
紺色の首枕より中綿のボリュームが増え、体格のよい人も使えるようにと本体が2㎝長くなっています。 

左から首枕plus、タオル首枕、ひとつ前の紺色の首枕

 
ずっとつけていると首の筋力が弱まってしまうので、症状が治まってきたらオンとオフを使い分けましょうとの注意書きがあります。でも私の場合、今でも痛みがあるので家では寝るときとお風呂以外ずっと装着しています。 

苦痛を軽減してくれたこの首枕。
私にとってはなくてはならない存在です。

姿勢が悪い方、肩こり・首こりに悩んでいる方にオススメします。

2016年11月5日土曜日

聖の青春

純真無垢な青年の魂の叫びがここにある。


大崎善生著
講談社
 


重い腎臓病を患いながらA級にまで登り詰めた棋士・村山聖の一生を追ったノンフィクションである。
ページをめくり始めるとともに、お別れのカウントダウンが始まるのだから、悲しみのバイアスがかかってしまったのかもしれない。読みながら涙が止まらない何日かを過ごした。

5歳で重いネフローゼを患っていることが発覚し、小中学校時代の大半をベッドで過ごした聖は、将棋と出会い、すぐにのめり込んでいく。
幼いながら、驚異的な集中力と勝負にこだわる負けず嫌いな性質からみるみる上達し、その後17歳でプロの棋士となり、名人の座を目指していく。

聖を含め、幼い頃の天才たちのまさしく天才ぶりには、ゾクゾクと鳥肌がたつ。

そして師匠である森信雄と出会い、歯も磨かず、顔も洗わず、お風呂にも入らないという無頓着さがお互い合っていたのか、固い絆で結ばれていく。
上下関係、しつけ、モラル、それらをお構いなしに無視した常識はずれの師匠と弟子は、親子以上の関係を築いていくのである。

家族の献身的な愛情と贖罪の気持ち。
ときにコミカルにもみえる師匠と弟子の関係。
将棋会館まで送ってくれる近所の人。
聖を取り巻く人々とのエピソードは、そのどれもがズシンズシンと心に響いてくる。

人々は言う。
「あんなかわいいやつはいなかった」
「あんなに面白い人はいなかった」
「あそこまで純粋な男がいるだろうか」

お金や地位には全く興味を持たず、勝負に文字通り命をかけて臨む聖。
幼い頃から死を身近に感じてきた聖の、魂を絞り出すような純粋な叫び。

聖に「東京の師匠」と親しまれ、部屋の合鍵や全財産が入った預金通帳まで預かった著者にしか書けない、村山聖の青春がここにある。

2016年11月4日金曜日

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

永田カビ著
イースト・プレス


キャバクラもホストクラブも、風俗関係も行ったことのないウブな私は、レズ風俗というものがあることすら知りませんでした。
そこでこの題名に惹かれて、興味本位で読み始めたのですが……

本書は、pixiv(イラストや漫画を中心としたSNS)で話題になったものを書籍化したものです。

28歳。
独身女性。
社会人経験なし。
誰かと付き合った経験、性体験なし。
そんなカビさんが、レズ風俗に行った体験を語るコミックエッセイです。

高校卒業後、大学を半年で中退し、アルバイトをしながら自傷行為や摂食障害を繰り返していたカビさん。
親との関係に悩みながら、母親とベタベタしたいという欲求を持っていました。
そして「誰でもいいから抱きしめてほしい」と痛烈に思い始め、レズビアン風俗に行こうと決意するのです。

読んでいるとこちらまでカビさんの苦しみが伝わってきます。
ご本人は、読者が想像つかないくらいもっともっと苦しんでいるのでしょう。

でも、風俗に行く決意をしたカビさんは、「行くからには」と身だしなみを整え始めます。
それによって、心も前向きになっていくのです。

これだけ苦しむ姿をみていると、レズ風俗にたどり着いたのもなんとなく頷ける気がします。

抱きしめられたい。
人のぬくもりがほしい。
そう考えたとき、周りに誰もいなくて風俗が頭に浮かぶ。
でも、男のゴツゴツした毛深い肉体より、母性を感じる柔らかな女の肌の方がいいかもしれない。
直接的に性を感じてしまう男より女の方が、敷居が低い。
そう考えたのではないでしょうか。

とはいっても、風俗は風俗。
2時間19000円也で、あんなことやこんなことも当たり前のようにするのです。

カビさんがあんなことやこんなことを本心から望んでいたのかはわかりません。
持ち時間いっぱい、裸でハグしてもらえば、幸せホルモン・オキシトシンが大量に出て、多幸感を感じ満足したのではないかと個人的には思うのですが。

その後カビさんは、体験を公開することによって自身の内面を見つめ、前に向かって歩き始めていきます。

それでもまだまだ危うさを醸し出しているカビさん。
こうして世の中に名前が出ると、叩く輩はたくさんいます。
だからエゴサーチなどしないで、人に流されず、自分の足で自分の道を歩んでほしいと思います。
他人の優しさは励みにはなっても、本人しか苦しみから抜け出すすべを持たないのだから。

本書によって、共感し救われる方もたくさんいると思います。。
カビさんが心やすらかに暮らせますようにと願わずにはいられません。