65歳。職業AV男優
山田裕二著
宝島社新書
1947年生まれ、65歳の著者が語った男優生活
毛皮屋を営んでいた著者は、売れ行きが鈍ったことから52歳で廃業する。
ローンもなく子供も手を離れたため生活の心配がない著者が、次に選んだ職業は、エキストラの仕事だった。
当初は通行人や再現ドラマのおじいちゃん役をしていたが、その後AVのエキストラの仕事が増えていった。
そして、「やっぱり女優さんと絡みたい」と思い、関係者に頼んで出演させてもらう。
そこから著者の男優としての歴史が始まったのだ。
本書は、そんな著者の体験談、女優さんの紹介、健康の秘訣、藤元ジョージ監督による現場の舞台裏などが書かれている。
作品の設定は定番の他、要介護者とケアワーカー、嫁と舅、老人好きのJKに逆ナンされる・・・などだという。
読みながら、『珍日本超老伝』 の中にも80歳過ぎて頑張っていた方が出てきたことを思い出した。
溜池ゴロー氏の本 でも熟女が人気と書かれていたが、現在この業界は中高年市場に活気があるため、出演者の年齢層も幅広くなり、高齢の男優も増え、50代の女性でも女優としてのニーズがあるのだという。
10代の頃は、男はみんな男優に憧れているのだろうと考えていた。
画面に映ってない場所にはスタッフがたくさんいて、皆が見守る中あられもない姿を晒す、販売・レンタルされたら大勢に見られてしまう・・・少し大人になれば、そんな大変な仕事なんだなと気づいた。
著者も「度胸と開き直りができないと務まりません。」と言っている。
ギャラは、女優が10万~200万円位/本もらえるのに対して、汁男優は2000~5000円/発、
男優は3~5万円/日の肉体労働。
女優さんが大柄な方、月経中の方、腋臭の方の場合は、大変。
など、知らなくても困らないトリビアがたくさん書かれていた。
そして、無類の女好きだと公言し、出会い系サイトで相手を見つけ、今も4、5人の彼女がいるという著者は、意外にも「家庭第一」なのだという。
う~ん、奥様すごい。
中高年の男性がこの本を読んで、「よし、俺も見習って頑張ろう」と元気になるのか、それとも「やっぱり俺はダメだな」と劣等感に苛まれ自信喪失してしまうのか、どちらにしろ危険をはらんでいるので気をつけたほうが良さそうな一冊である。
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