2012年9月27日木曜日

~遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白~ 飛田で生きる

~遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白~ 飛田で生きる
杉坂圭介著
徳間書店

 経営者として10年、その後スカウトマンとして飛田で働いている著者の体験記。



「飛田で店持ったら稼げるで」
31歳の時リストラにあいファミレスでバイトをしていた著者に、先輩がそう声をかけた。
それをきっかけに、飛田新地の料亭経営者となる。
10年間経営した後、「トラブル対応に疲れ果てて」店を知人に譲り、現在は女の子のスカウトマンとして働いている。
本書は、経営者として体験した飛田内部の様子を綴った著者のドキュメントである。

「さいごの色街 飛田」 では女性フリーライターが外部から取材をしていたが、こちらは男性経営者として内部から発信している。
そのため警察署への申請、1200万円かかった店の開店資金、月々かかる経費、女の子の確保や管理の難しさなど、著者の経験が詳しく書かれている。

具体的なサービスの内容も書かれているのだが、15分コース(1万1千円)の場合、おばちゃんにお金を渡すところからストップウォッチがスタートする。
お菓子と飲み物とおしぼりを渡し、少し言葉を交わしトイレで洗浄する。
その後部屋に戻りサービスする。
帰り支度を考慮すると実質7分程度なのだという。

女の子にとってはヘルスやソープと違い、見知らぬ男と長時間過ごさなくて済むので断然楽なのだというが、そんな短時間に大金をつぎ込んで何が楽しいのだろうか。
私には申し訳ないが、男たちの行動が理解できない。

表に出せない内容は書いていないのだろうが、なかなか知りえない情報を内部から発信したという意味では貴重な本だと思う。
しかし、経営者やスカウトマンとして女の子を自分の儲けの道具と見ている点が、個人的に好感が持てない。(経営しているのだから、当たり前のことなのだが)

料亭を譲った経緯もよくわからない。
「疲れた」というが、儲かっていたなら続けていただろうと思う。
開業資金の内訳は細かく書かれていたのに、いくらで譲ったのかなど詳しい経緯は全く書かれていない。

女の子をスカウトして20万円。
その子が働き続ける限り、その子の売上の5%貰える。
多い日で10万円稼げる。
というので、スカウト業の方が遊べるし儲かるのだろうか。

なんにせよ、飛田に興味がある男性向けの本だなと感じた。

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