緑の毒
桐野夏生著
角川書店
嫌な人ばかり出てくる桐野夏生さんの小説。でも、人間なら誰でもイヤな底意地の悪い感情を持っているのではと考えてしまう作品。
開業医の川辺は、妻が浮気していることをきっかけに1人暮らしの女性の部屋に侵入し、
スタンガンと薬の注射で昏睡させ、レイプを繰り返していた。
被害者たちはネットでつながり、警察には届けず犯人探しを始める。
桐野夏生さんは、誰でも持っている人間のイヤな、底意地の悪い感情を表現するのが上手いなぁと思っていた。
今回も、イヤな人ばかりが出てくるのは百も承知で読み始めた。
被害者たちもイヤな感じの人たちばかりだが、こういう人たちいる!私の中にもいる!と思った。
市井の善良な人々でも、悲しいドラマで胸を涙を流す人の中にも、そして私の心にも、妬み・嫉み・怠惰
・・・イヤな部分があるということを突きつけられた感じがする。
ただ、レイプという題材は読んでいて不快感が増す。
読みやすい文章で一気に読めたのだが、やはり後味が悪い。
私は、○○大賞受賞作とか一度読んで面白かった作家の本を内容も知らずに読んでしまう傾向がある。
今回も桐野作品と言うことで迷わず手に取ったのだが、少し反省した。
人は一生の間に読める本の数が限られているのだから、もう少し内容をリサーチしてから読もう。
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