2012年3月7日水曜日

春画にみる色恋の場所

春画にみる色恋の場所
白倉敬彦著
学研新書


色恋の場所は様々。江戸文化のおおらかさがよくわかる一冊。



著者は、1940年生まれで、現代美術から浮世絵までの美術書を編集している、浮世絵・春画研究者。

1711年から1840年頃までの春画を掲載し、そこに書かれている文字とともに解説している本である。
画は、見開き2ページにわたるものもあるが、多くは半ページ程度の大きさである。
そして、舞台となった場所に着目し、「屋内編」「屋外編」と場所別に細かく分けられている。

画とは、フィクションであるため、現実の反映だけでなく画師の意図や想像力が潜んでいる。
そのため、あり得ないことを一瞬あり得るかもしれない、と思わすところがフィクションの面白い所である。
この時期はまだ、連続した図柄やストーリー性を持った図柄は生まれていなかったので、
一図で完結しなければならなかった。
掲載されている画の画師は様々だが、年代とともに緻密になっている。

また、江戸の風俗がよくわかり面白い。
例えば、「川開き」の項目で、毎年5/28~8/28まで花火の打ち上げが許され、
毎晩夕涼みに人が集まっていたという。
川の両岸には、茶屋や見世物小屋などが軒を連ね、にぎわっている様子がわかる。
川では、屋形船から三味線の音が聞こえてきたり、物を売る「うろうろ舟」、
芸人を乗せた「ひらた舟」などもあったという。

そして、ユーモアも満載で楽しませてくれる。
もともと春画とは、観て笑い、読んで笑い、というコンセプトで作られたものなので、
お間抜けな人々が出てくるのである。
「この窮屈さも修行のため」というセリフ、堪え性のない男、どこか笑えてしまう。
こういう場合江戸時代でも、女の方が度胸があるということがわかる。

(詳しい内容はとても書けません。なので、当たり障りのない事を書きました。)


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