米澤穂信著
創元推理文庫
「小市民」シリーズ第2弾。ミステリー色が強くなり、ふたりの関係も変化してきて・・・目が離せない青春ミステリー。
「春期限定いちごタルト事件」 に次ぐ第2弾。
登場人物は、高校生の小鳩くんと小佐内さん。
小鳩くんは、生まれつき余計なことに口を挟んでしまう性格のため、トラブルを引き起こしてしまう。
小佐内さんは、小柄で大人しそうな見かけと裏腹に「復讐」を愛し「狼」のような性格である。
その内面を隠すべく、二人はお互いに助け合いながら「小市民」として目立たぬように平穏に暮らすことを目標にしている・・・のだが、事件が彼らをほっといてはくれないのだ。
いや、もしかして彼らが事件を起こしているのか?
第1弾では、ポシェットの紛失などちょっとした謎を解いていた二人だが、この第2弾では大きな事件に遭遇する。
大変な状況になっても、推理できることが嬉しくてちょっぴり高揚してしまう小鳩くん。
そして、謎だらけだった小佐内さんの正体もだんだん明らかになっていく。
第1弾より、ぐっとミステリー色が強くなり、変わらず楽しく読める割には内容が本格的になってきた。
ふたりの関係はこれからどうなっていくのか?
最後が気になる終わり方なのでやっぱり次も読みたくなってしまう。
また小佐内さんは大の甘いもの好きで、要所要所にスイーツが出てくるのも楽しい。
今回は「小佐内スイーツセレクション・夏」を二人で食べ歩く。
中でも本書に登場するケーキ「シャルロット」。
泡がさらりと溶けていくような軽やかな口当たりに、見え隠れする程度のほのかな甘味。スポンジ生地の内側は、クリームチーズ風味のババロアだった。そのチーズの味わいは自己主張が強くなく、その穏やかな味わいをしみじみと楽しんでいると内側に隠されたマーマレードのようなソースが不意に味を引き締めてくれる。読んでいるだけでうっとりしてしまう。食べてみたいなぁ。
※台風の中出かけた先で「ミスドの半額セール」に遭遇しました。激しい雨風の中、行列を作る人々を見て、「よく並ぶなぁ」と思いながらも最後尾に並んで買ってしまった私。
美味しいものが出てくる本は、「年中無休でダイエット中」の身にとってやっぱり危険だなと思いました。
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