先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学
小林朋道著
築地書館
巨大コウモリは廊下を飛んだあと、どうなったのだろうか?
「先生」シリーズ第1弾!!
学生数が1200人ほどの鳥取環境大学。
その大学の教授である著者が、出会った動物たちとの触れ合いを楽しく書いた本である。
専門は「動物行動学」「人間比較行動学」。
森や河川・池に囲まれた自然豊かな環境にある大学では、生き物が関わる事件が日々勃発しているのだ。
表題にもなっている巨大コウモリが大学の廊下を飛んでいたり、気性が荒いという5頭のアナグマに囲まれたり、私にとっては非日常の出来事が先生にとっては日常らしい。
周りの人たちも、弱ったハトを見つければ先生に連絡し、タヌキが車にはねられたと先生に助けを求める。
GPSをつけてタヌキの行動を追跡したり、埋め立て予定の池の生き物を守るため、近くに別の池を作って移したりと、学生たちと楽しそうに行動する。
<b>「先生にはストレスというものがないように見えます」</b>と学生に言われる先生。
哺乳類・爬虫類・魚類であれ、日本に棲むたいていの動物なら種類を即座に答えられるという先生。
生き物好きの少年がそのまま大人になったような先生。
読んでいて、目を輝かせながら動物たちに接する先生の姿が浮かんできて、こちらまで楽しい気分になる。
生き物好きな人なら、そんな先生の授業を受けてみたいときっと思うだろう。
ただし、先生がアナグマに囲まれたのは大学のグラウンドや体育館の裏辺りだし、近くには虫やヘビやイモリをはじめ様々な生きものが待っている。
う~ん。面白そうではあるけれど、ちょっと怖い。
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