湊 かなえ著
幻冬舎
手紙のやり取りのみからなる短編3つ。夢中になって一気に読みました。短編なのにちゃんと話がおさまっている。好きな作家です。
「告白」の著者の短編。
高校時代の友人の結婚式を機に、友人たちとの手紙のやり取りで5年前の「事件」の真相に迫る「10年後の卒業文集」
小学校の担任の先生と教え子の「事故」についての先生と教え子のやり取りの「20年後の宿題」
国際ボランティアで海外に行った恋人とのやり取りで、かつての「事故」を考え直す「15年後の補習」 の3編。
短編というと、どうしても終わり方が中途半端と思っていたが、 夢中にさせるストーリで、一気に読めました。
「手紙」のやり取りとはいえ、語り口調で、最初はよくわからないがどんどん真相に迫るという 「告白」と同じパターン。
有吉佐和子の「悪女について」も思い出しました。(高校時代大好きで何度も読んだ本です)
こういう形式の本が私は好きなんだなぁ。と改めて思いました。
いつもは、こんなの偶然すぎるとか、心の中で突っ込みながら読んでしまうのに、 この本は、そんなことすら思わず最後までどっぷり本の世界に浸れました。
だからと言って、冷静に考えると突っ込むところがないわけじゃないんだけど。
結末が、やりきれないまま終わるのが得意な著者ではあるけれど、最後はちゃんと まとめてくれていた。
1話目の女友達とのビミョーな関係はさすがと思った。
この本は私も読みましたが、確かに手紙のやり取りだけで完結している斬新(私にとって)なアイデアでした。面白かったですが、最後にちゃんと結末があり、また「そう来たか」になるので、途中から「どう来るか」ってかまえている自分がいました。面白かったけど。。。が感想です。
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