三浦しをん著
集英社
国政73歳。源二郎73歳。政と源、合わせて146歳。只今参上!
荒川と隅田川に挟まれた墨田区Y町。
そこで生まれ育った幼馴染の国政と源二郎は、正反対の性格ながら、なぜか昔から仲がいい。
源二郎は、「世界一の」つまみ簪(かんざし)職人である。
大恋愛の末結婚した妻は40代で亡くなったため、今は一人暮らしをしている。
しかし、73歳の今でも仕事に精を出し、若い弟子の徹平とその彼女で美容師のマミが家に出入りしてるため、楽しく充実した毎日を送っているように見える。
耳のあたりにちょぼちょぼと残っている髪の毛を、マミが赤やピンクや青など奇抜な色に染めているので見た目は怪しいのだが。
一方、国政は銀行員として定年まで働き、今は悠々自適の暮らしをしている。
妻は数年前に家を出ていき、長女一家と暮らしていて国政と連絡を取りたがらない。
お互い一人暮らしの真面目な元銀行員と、破天荒だが情に厚い職人という二人が、徹平を昔の不良仲間から助けたり、マミと徹平の結婚に一役買ったりと活躍していく楽しい物語である。
堅物とやんちゃ。
そんな二人のじいさんが、愛らしくて可笑しくていい味出していて、何とも言えない関係を築いているところが魅力的である。
老いて一人になってしまった寂しさも漂うのだが、それ以上にお互い口は悪いが認め合い固い友情で結ばれている。
いいなぁ、こんな関係。
自分もこの下町のY町で暮らす住人だったら楽しいだろうなと想像しながら読んでいた。
破天荒な源と生真面目な国政のやりとりや日常が面白くて面白くて、思わず笑ってしまう場面が何度もあった。
特に、生真面目な政が離れて暮らす妻に毎日手紙を出すところは可笑しくて可笑しくて笑いが止まらなかった。
そうかと思うと一転してホロリとさせられる。
しをんさん絶好調といった感じの物語である。
このコンビで続編出して欲しいなぁ。
またこのじいさんコンビと再会して癒されたいから。
※政と源の挿絵が載っていたのだが、二人共顔が西洋風で王子様のようなイケメンだった。
下町のおじいさんという設定なのだから、いい男に描くのはともかく、西洋風はないだろうと思う。
もっとも、この物語の面白さには全く影響がなかったが。
2013年10月29日火曜日
2013年10月27日日曜日
のたうつ者
挟土秀平著
毎日新聞社
「土は人を裏切らない。そうオレは信じている。」なんてかっこいい方なのだろう。惚れてまうやろ!
この表紙の男性をみて欲しい。
鋭い目つき、精悍な横顔、この表紙の写真だけで女性なら誰しも惚れてしまうに違いない。(私だけ?)
本書は、この素敵な男性・左官の挟土秀平(はさどしゅうへい)さんの自伝である。
メディアにも登場する有名な方らしいのだが、この本を読むまで全く存じ上げなかった。
こんな素敵な方を知らなかったなんて、私は今までどこを見ていたんだろう。
挟土秀平さん、1962年生まれ。
矢沢永吉をこよなく愛する男。
岐阜県高山市で左官業を営む家に生まれ、「しゃかんになりたい」と幼稚園の頃から夢見てきた彼は、高校卒業後あえて遠く離れた熊本での厳しい修行の道を選び、技能五輪左官部門で優勝する。(高卒での優勝は初めて)
その後あちこちで修行したあと、飛騨随一の左官会社「挟土組」に、二代目跡取りとして入社する。
父親が社長のその会社で、実力がありながらなぜか不当な待遇を受け、艱難辛苦しながら孤立していく。
その中で「土」に出会い、苦悩の日々を過ごしながらも研究を重ねていき、「職人社秀平組」を立ち上げ独立するのである。
そして、「NEWS23」のセット、「泥の円空」など数々の挑戦的で独創的な作品を生み出していく。
研究ノートの写真が掲載されているのだが、これがまぁ丁寧な文字でびっしりと書かれていて、仕事に対して真剣に取り組んでいるのがよくわかる。
研究熱心な姿勢に加えて、努力を重ねた上で彼の作品が成り立っているのだなと感動する。
本書に掲載されている作品の写真だけでも迫力が伝わって来るのだから、実物はもっとすごいんだろうなぁ。
一度この目で見てみたい。
芸術的な作品や大きな仕事ばかりしている方なのかと思ったのだが、「個人宅の一部屋でも、風呂のタイル張りでも、どんな仕事でも引き受ける」のだそうだ。
狭いマンション暮らしの我が家では、いくら見渡してみても頼めそうな箇所はないのが悲しいのだが。
毎日新聞社
「土は人を裏切らない。そうオレは信じている。」なんてかっこいい方なのだろう。惚れてまうやろ!
この表紙の男性をみて欲しい。
鋭い目つき、精悍な横顔、この表紙の写真だけで女性なら誰しも惚れてしまうに違いない。(私だけ?)
本書は、この素敵な男性・左官の挟土秀平(はさどしゅうへい)さんの自伝である。
メディアにも登場する有名な方らしいのだが、この本を読むまで全く存じ上げなかった。
こんな素敵な方を知らなかったなんて、私は今までどこを見ていたんだろう。
挟土秀平さん、1962年生まれ。
矢沢永吉をこよなく愛する男。
岐阜県高山市で左官業を営む家に生まれ、「しゃかんになりたい」と幼稚園の頃から夢見てきた彼は、高校卒業後あえて遠く離れた熊本での厳しい修行の道を選び、技能五輪左官部門で優勝する。(高卒での優勝は初めて)
その後あちこちで修行したあと、飛騨随一の左官会社「挟土組」に、二代目跡取りとして入社する。
父親が社長のその会社で、実力がありながらなぜか不当な待遇を受け、艱難辛苦しながら孤立していく。
その中で「土」に出会い、苦悩の日々を過ごしながらも研究を重ねていき、「職人社秀平組」を立ち上げ独立するのである。
そして、「NEWS23」のセット、「泥の円空」など数々の挑戦的で独創的な作品を生み出していく。
研究ノートの写真が掲載されているのだが、これがまぁ丁寧な文字でびっしりと書かれていて、仕事に対して真剣に取り組んでいるのがよくわかる。
研究熱心な姿勢に加えて、努力を重ねた上で彼の作品が成り立っているのだなと感動する。
本書に掲載されている作品の写真だけでも迫力が伝わって来るのだから、実物はもっとすごいんだろうなぁ。
一度この目で見てみたい。
芸術的な作品や大きな仕事ばかりしている方なのかと思ったのだが、「個人宅の一部屋でも、風呂のタイル張りでも、どんな仕事でも引き受ける」のだそうだ。
狭いマンション暮らしの我が家では、いくら見渡してみても頼めそうな箇所はないのが悲しいのだが。
2013年10月24日木曜日
きみは白鳥の死体を踏んだことがあるか(下駄で)
宮藤官九郎著
太田出版
男子高校生の脳内を覗いてみたら・・・思いっきりくだらなかった!!クドカンの自伝的小説。
この笑っていいのかどうか戸惑ってしまう長いタイトル「きみは白鳥の死体を踏んだことがあるか(下駄で)」は、「あまちゃん」の脚本を担当した宮藤官九郎さんの初小説である。
自伝的小説でもあり、体験した恥ずかしい話を虚実織り交ぜ「虚8実2」ぐらいで書いた「恥小説」でもあるという。
「宝島」を愛読し、「たけし軍団」に入ることを夢見ながら、ビートたけしのオールナイトニッポンにせっせとネタを投稿している少年が、宮城県北部にあるバンカラな高校に入学した。
その高校は、「質実剛健」をモットーにしており、腰から手ぬぐいを下げ、冬でも下駄を履いて登校するという風習が残っていた。
挨拶はもちろん「押忍!」。
そんな高校で、バスケ部に入るが練習はサボりがち、エレキギターを買うが弾けないコードがある、友達は次々に彼女を作っていく・・・
モテたいのにモテない・冴えない少年が、「白鳥おじさん」と交流したり、下ネタを妄想したりしながら成長していく物語である。
男子高校生の脳内を覗いているような小説で、バカバカしい!くっだらない!と思いながらも笑ってしまう面白さがある。
「あまちゃん」と同じく、「夕やけニャンニャン」「ゲームウォッチ」など80年代の小ネタがたくさん散りばめられていて、その年代を知っている者としてはとても懐かしさを感じた。
クドカンの、そして「あまちゃん」の原点が少しだけわかったような気がして、クドカンファンとしてはくだらないながらも読んでよかったと思える一冊だった。
お忙しいでしょうが、続編として「くだらない大学生活」編も書いてくれないかな?
※たくさんある黒歴史の一つを告白しよう。
「ビートたけしのオールナイトニッポン」に、私も恥ずかしながら中学生の時に1度だけ投稿したことがある。聴こうと思っても起きていられず寝てしまうのが常だったので、採用されたかどうかはわからないが、たぶんボツだっただろう。お恥ずかしい出来だったから・・・
投稿したネタは「佐渡ヶ島のマゾ」です。皆様ご内密に。
太田出版
男子高校生の脳内を覗いてみたら・・・思いっきりくだらなかった!!クドカンの自伝的小説。
この笑っていいのかどうか戸惑ってしまう長いタイトル「きみは白鳥の死体を踏んだことがあるか(下駄で)」は、「あまちゃん」の脚本を担当した宮藤官九郎さんの初小説である。
自伝的小説でもあり、体験した恥ずかしい話を虚実織り交ぜ「虚8実2」ぐらいで書いた「恥小説」でもあるという。
「宝島」を愛読し、「たけし軍団」に入ることを夢見ながら、ビートたけしのオールナイトニッポンにせっせとネタを投稿している少年が、宮城県北部にあるバンカラな高校に入学した。
その高校は、「質実剛健」をモットーにしており、腰から手ぬぐいを下げ、冬でも下駄を履いて登校するという風習が残っていた。
挨拶はもちろん「押忍!」。
そんな高校で、バスケ部に入るが練習はサボりがち、エレキギターを買うが弾けないコードがある、友達は次々に彼女を作っていく・・・
モテたいのにモテない・冴えない少年が、「白鳥おじさん」と交流したり、下ネタを妄想したりしながら成長していく物語である。
男子高校生の脳内を覗いているような小説で、バカバカしい!くっだらない!と思いながらも笑ってしまう面白さがある。
「あまちゃん」と同じく、「夕やけニャンニャン」「ゲームウォッチ」など80年代の小ネタがたくさん散りばめられていて、その年代を知っている者としてはとても懐かしさを感じた。
クドカンの、そして「あまちゃん」の原点が少しだけわかったような気がして、クドカンファンとしてはくだらないながらも読んでよかったと思える一冊だった。
お忙しいでしょうが、続編として「くだらない大学生活」編も書いてくれないかな?
※たくさんある黒歴史の一つを告白しよう。
「ビートたけしのオールナイトニッポン」に、私も恥ずかしながら中学生の時に1度だけ投稿したことがある。聴こうと思っても起きていられず寝てしまうのが常だったので、採用されたかどうかはわからないが、たぶんボツだっただろう。お恥ずかしい出来だったから・・・
投稿したネタは「佐渡ヶ島のマゾ」です。皆様ご内密に。
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