静おばあちゃんにおまかせ
中山七里著
文藝春秋
隠していてもおばあちゃんには全部お見通しよ。
警視庁捜査一課の 葛城刑事 は、およそ警察官らしからぬ風貌と物腰で、唯一の取り柄が聞き上手。
あるきっかけで知り合った女子大生 円 に、事件の謎を相談して解決してもらう。
・・・と見せかけて、円 は家に帰り 静おばあちゃん に謎を解いてもらっていた。
静おばあちゃん は大正生まれで、日本で20人目の女性裁判官だった・・・
本書は、そんな静おばあちゃんが活躍する5話が収録された連作短編集である。
お嬢様刑事が執事に謎を解いてもらう「謎解きはディナーのあとで」を彷彿させるが、事件はそれよりずっと大きい。
ヤクザと警察の癒着、カルト宗教の教祖の死亡、国賓である某国大統領の暗殺と社会的にも重い内容で、「おまかせ」なんて気軽にいえるような事件じゃない。
そんな物語を恋愛問題や、おばあちゃんの孫に対するお小言など軽妙な会話で和らげている。
軽いタッチで読みやすいのだが、おばあちゃんのセリフは本質をついていてドキッとする。
宗教や社会問題、法律、過去の事件についての話はこちらも神妙に傾聴してしまうほどだ。
今まで中山七里さんの小説は、音楽を題材としたミステリーしか読んでいなかったが、こういうタッチの小説もいいなぁと思った。
でも、大統領の暗殺事件の解決を警察が民間人である女子大生に頼むって!
それにはちょとびっくりした。
2012年11月29日木曜日
2012年11月27日火曜日
こちらゆかいな窓ふき会社
こちらゆかいな窓ふき会社
ロアルド・ダール著
評論社
ワクワクがたくさん詰まった宝箱のような一冊。
ビリーの家の近くに3階建てのボロボロの空き家があった。
ある日、売りに出されたと思ったら、家の改装が始まった。
そして「はしご不要窓ふき会社!」という文字が。
なんとそこは、キリン・ペリカン・サルが始めた窓ふき会社だった!
ロアルド・ダールの楽しい児童書。
空き家の改装中、便器から風呂桶・家具・ミシンとありとあらゆる物が窓から放り出され、挙句の果ては階段や床板まで飛び出してくる。
不法投棄・環境破壊という言葉が頭をかすめるが、驚いている間もなくキリン・ペリカン・サルが登場する。
えー!えー!の連続ですぐにお話に引き込まれてしまう。
子供じゃなくても目をキラキラさせながら本をめくることだろう。
公爵から、宮殿よりも大きい豪邸の677枚ある窓を綺麗にするよう頼まれるが、
「上二つの階は届かないだろうから、やらなくていい。」って言われたって、
キリンの首にも、ペリカンのクチバシにも秘密があるんだから、簡単にきれいにしてしまう。
「チョコレート工場の秘密」のワンカのお菓子も出てくるし、
こうなったらいいなと頭の中で空想していた、夢の世界が実現する。
登場人物たちが飛び上がって喜ぶと、こちらまで嬉しくなる。
短いお話ながら、楽しい冒険をさせてくれる。
子供だけに独占させるのは勿体無い、ワクワクがいっぱい詰まった宝箱のような一冊だ。
ロアルド・ダール著
評論社
ワクワクがたくさん詰まった宝箱のような一冊。
ビリーの家の近くに3階建てのボロボロの空き家があった。
ある日、売りに出されたと思ったら、家の改装が始まった。
そして「はしご不要窓ふき会社!」という文字が。
なんとそこは、キリン・ペリカン・サルが始めた窓ふき会社だった!
ロアルド・ダールの楽しい児童書。
空き家の改装中、便器から風呂桶・家具・ミシンとありとあらゆる物が窓から放り出され、挙句の果ては階段や床板まで飛び出してくる。
不法投棄・環境破壊という言葉が頭をかすめるが、驚いている間もなくキリン・ペリカン・サルが登場する。
えー!えー!の連続ですぐにお話に引き込まれてしまう。
子供じゃなくても目をキラキラさせながら本をめくることだろう。
公爵から、宮殿よりも大きい豪邸の677枚ある窓を綺麗にするよう頼まれるが、
「上二つの階は届かないだろうから、やらなくていい。」って言われたって、
キリンの首にも、ペリカンのクチバシにも秘密があるんだから、簡単にきれいにしてしまう。
「チョコレート工場の秘密」のワンカのお菓子も出てくるし、
こうなったらいいなと頭の中で空想していた、夢の世界が実現する。
登場人物たちが飛び上がって喜ぶと、こちらまで嬉しくなる。
短いお話ながら、楽しい冒険をさせてくれる。
子供だけに独占させるのは勿体無い、ワクワクがいっぱい詰まった宝箱のような一冊だ。
2012年11月25日日曜日
回廊封鎖
回廊封鎖
佐々木譲著
集英社
サラ金に追い詰められて人生が破綻した者たちが、経営破綻した消費者金融の従業員たちに報復!長編警察小説。
貸金業対策法が改正され、大量の過払い利息返還訴訟を受けて6年前に破綻した消費者金融・紅鶴。
かつて 紅鶴 に勤めていた者たちが次々と殺害された。
警視庁捜査一課の警部補・久保田 は 紅鶴 の過去を調べる。
社長一族は蓄財と資産隠しのためにいくつもの子会社を設立させていた。
その中でも何千億もの金が香港に住む長男の 紅林伸夫 に流れていた。
経営破綻とはつまり偽装解散であった。
そんな中、愛人と噂される香港女優の映画祭参加のため 紅林伸夫 も久しぶりに帰国することになった。
一方、かつての顧客・追い詰められて人生が破綻した者たちが集まって私的報復を考えていた。
果たして 紅林伸夫 の運命は・・・?
借りた者、貸した者。
返せない者、追い立てる者。
消費者金融により人生が破綻してしまったのは、借りた者だけではない。
貸した側もまた人生を狂わされる。
法的には何のお咎めもなく平然と暮らしている経営者の一族に、私的制裁を。
本書は武富士事件を彷彿させる、そんな警察長編小説だ。
個人的には、お金を借りると早く返さなくちゃと精神的に追い詰められる感じがするので、借金はしない。
そのため、理由があったとしてもお金を借りて返せなくなり、貸した人に復讐を企む人々には共感できなかった。
しかし、過酷な取立て、蓄財や資産隠し、偽造解散をし、莫大な資産を保有している者にはもっと肩入れできない。
それでも彼らの復讐計画はどうなるのかと気になり、ページをめくる手が止まらなかった。
特に後半部分は、緊迫の連続でハラハラさせられる。
そして、想像できなかった意外な展開へ・・・
はぁ、やっぱり借金はしない方がいいな。
※「警官の血」のような重厚さがあったらもっとよかったなと思う。
佐々木譲著
集英社
サラ金に追い詰められて人生が破綻した者たちが、経営破綻した消費者金融の従業員たちに報復!長編警察小説。
貸金業対策法が改正され、大量の過払い利息返還訴訟を受けて6年前に破綻した消費者金融・紅鶴。
かつて 紅鶴 に勤めていた者たちが次々と殺害された。
警視庁捜査一課の警部補・久保田 は 紅鶴 の過去を調べる。
社長一族は蓄財と資産隠しのためにいくつもの子会社を設立させていた。
その中でも何千億もの金が香港に住む長男の 紅林伸夫 に流れていた。
経営破綻とはつまり偽装解散であった。
そんな中、愛人と噂される香港女優の映画祭参加のため 紅林伸夫 も久しぶりに帰国することになった。
一方、かつての顧客・追い詰められて人生が破綻した者たちが集まって私的報復を考えていた。
果たして 紅林伸夫 の運命は・・・?
借りた者、貸した者。
返せない者、追い立てる者。
消費者金融により人生が破綻してしまったのは、借りた者だけではない。
貸した側もまた人生を狂わされる。
法的には何のお咎めもなく平然と暮らしている経営者の一族に、私的制裁を。
本書は武富士事件を彷彿させる、そんな警察長編小説だ。
個人的には、お金を借りると早く返さなくちゃと精神的に追い詰められる感じがするので、借金はしない。
そのため、理由があったとしてもお金を借りて返せなくなり、貸した人に復讐を企む人々には共感できなかった。
しかし、過酷な取立て、蓄財や資産隠し、偽造解散をし、莫大な資産を保有している者にはもっと肩入れできない。
それでも彼らの復讐計画はどうなるのかと気になり、ページをめくる手が止まらなかった。
特に後半部分は、緊迫の連続でハラハラさせられる。
そして、想像できなかった意外な展開へ・・・
はぁ、やっぱり借金はしない方がいいな。
※「警官の血」のような重厚さがあったらもっとよかったなと思う。
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