2012年9月30日日曜日

夏期限定トロピカルパフェ事件

夏期限定トロピカルパフェ事件
米澤穂信著
創元推理文庫

「小市民」シリーズ第2弾。ミステリー色が強くなり、ふたりの関係も変化してきて・・・目が離せない青春ミステリー。



「春期限定いちごタルト事件」 に次ぐ第2弾。
登場人物は、高校生の小鳩くんと小佐内さん。
小鳩くんは、生まれつき余計なことに口を挟んでしまう性格のため、トラブルを引き起こしてしまう。
小佐内さんは、小柄で大人しそうな見かけと裏腹に「復讐」を愛し「狼」のような性格である。
その内面を隠すべく、二人はお互いに助け合いながら「小市民」として目立たぬように平穏に暮らすことを目標にしている・・・のだが、事件が彼らをほっといてはくれないのだ。
いや、もしかして彼らが事件を起こしているのか?

第1弾では、ポシェットの紛失などちょっとした謎を解いていた二人だが、この第2弾では大きな事件に遭遇する。
大変な状況になっても、推理できることが嬉しくてちょっぴり高揚してしまう小鳩くん。
そして、謎だらけだった小佐内さんの正体もだんだん明らかになっていく。
第1弾より、ぐっとミステリー色が強くなり、変わらず楽しく読める割には内容が本格的になってきた。

ふたりの関係はこれからどうなっていくのか?
最後が気になる終わり方なのでやっぱり次も読みたくなってしまう。

また小佐内さんは大の甘いもの好きで、要所要所にスイーツが出てくるのも楽しい。
今回は「小佐内スイーツセレクション・夏」を二人で食べ歩く。
中でも本書に登場するケーキ「シャルロット」。
泡がさらりと溶けていくような軽やかな口当たりに、見え隠れする程度のほのかな甘味。スポンジ生地の内側は、クリームチーズ風味のババロアだった。そのチーズの味わいは自己主張が強くなく、その穏やかな味わいをしみじみと楽しんでいると内側に隠されたマーマレードのようなソースが不意に味を引き締めてくれる。
読んでいるだけでうっとりしてしまう。食べてみたいなぁ。

※台風の中出かけた先で「ミスドの半額セール」に遭遇しました。激しい雨風の中、行列を作る人々を見て、「よく並ぶなぁ」と思いながらも最後尾に並んで買ってしまった私。
美味しいものが出てくる本は、「年中無休でダイエット中」の身にとってやっぱり危険だなと思いました。  

2012年9月29日土曜日

春期限定いちごタルト事件

春期限定いちごタルト事件
米澤穂信著
創元推理文庫

事件、男子高校生と女子高生、スイーツ、そして青春!



小鳩くんと小佐内さんは、同じ高校に通う高校1年生。
二人は慎ましい「小市民」を目指し、目立たないように日々暮らしている。
・・・つもりなのだが、二人の周りではちょっとした事件が頻発してしまう。

事件といってもポシェットが無くなったとか、試験中にドリンクのビンが割れたとか、身近な謎ばかりで気軽に読めるのが嬉しい。

「小市民」を目指しているならば、謎になぞ立ち向かわなければいいのに、なぜか巻き込まれてしまい謎を推理してしまうのである。

二人がなぜ「小市民」を目指しているのか。
中学時代のある出来事がきっかけらしいとほのめかすだけで、この巻では明かされていない。
また、小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係ではなくお互い助け合う約束をしているだけなのだが、そこは若い男と女なのだから、恋愛に発展していく・・・かもしれない。

事件は解決するが、そんな二人の過去と未来が気になるまま終わってしまうので、気になって次も読みたくなってしまう。

小山内さんは大の甘いもの好きで、特にストレスが溜まるとケーキバイキングに行って食べまくったりと、要所要所でスイーツが出てくるのもポイントだ。
遠い青春時代を思い出しながら、気軽に楽しめる一冊だった。

2012年9月27日木曜日

~遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白~ 飛田で生きる

~遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白~ 飛田で生きる
杉坂圭介著
徳間書店

 経営者として10年、その後スカウトマンとして飛田で働いている著者の体験記。



「飛田で店持ったら稼げるで」
31歳の時リストラにあいファミレスでバイトをしていた著者に、先輩がそう声をかけた。
それをきっかけに、飛田新地の料亭経営者となる。
10年間経営した後、「トラブル対応に疲れ果てて」店を知人に譲り、現在は女の子のスカウトマンとして働いている。
本書は、経営者として体験した飛田内部の様子を綴った著者のドキュメントである。

「さいごの色街 飛田」 では女性フリーライターが外部から取材をしていたが、こちらは男性経営者として内部から発信している。
そのため警察署への申請、1200万円かかった店の開店資金、月々かかる経費、女の子の確保や管理の難しさなど、著者の経験が詳しく書かれている。

具体的なサービスの内容も書かれているのだが、15分コース(1万1千円)の場合、おばちゃんにお金を渡すところからストップウォッチがスタートする。
お菓子と飲み物とおしぼりを渡し、少し言葉を交わしトイレで洗浄する。
その後部屋に戻りサービスする。
帰り支度を考慮すると実質7分程度なのだという。

女の子にとってはヘルスやソープと違い、見知らぬ男と長時間過ごさなくて済むので断然楽なのだというが、そんな短時間に大金をつぎ込んで何が楽しいのだろうか。
私には申し訳ないが、男たちの行動が理解できない。

表に出せない内容は書いていないのだろうが、なかなか知りえない情報を内部から発信したという意味では貴重な本だと思う。
しかし、経営者やスカウトマンとして女の子を自分の儲けの道具と見ている点が、個人的に好感が持てない。(経営しているのだから、当たり前のことなのだが)

料亭を譲った経緯もよくわからない。
「疲れた」というが、儲かっていたなら続けていただろうと思う。
開業資金の内訳は細かく書かれていたのに、いくらで譲ったのかなど詳しい経緯は全く書かれていない。

女の子をスカウトして20万円。
その子が働き続ける限り、その子の売上の5%貰える。
多い日で10万円稼げる。
というので、スカウト業の方が遊べるし儲かるのだろうか。

なんにせよ、飛田に興味がある男性向けの本だなと感じた。