人の心を自由に操る技術 ザ・メンタリズム
メンタリスト DaiGo著
扶桑社
TVで見て度肝を抜かれた!そのパフォーマンスに魅かれて購入。やっぱり彼は魔法使いじゃないだろうか?
TVで著者が、人が紙に書いたことを当てるという見事なパフォーマンスを見た。
手品ではなく、メンタリズムによるものだという。
メンタリズムとは、心理学を中心に、運動力学、暗示、読筋術、観察眼、話法など様々な手法を取り入れてショーとして実現化する「アート」だとこの本では定義している。
著者は、物理情報工学科出身で、「全ての超常現象は科学で証明できる」と言い切る。
手品は、道具や仕組み、種を使うが、メンタリズムでは仕掛けをできるだけ使わない。
そして心理学は統計によるものなので、目の前の人に確実に当てはまるか分からないが、メンタリズムでは、目の前の人物を観察して当てるので確実性が高い。
そんな彼のことが気になって、書店で山積みされていたこの本を購入した。
冒頭には数ページグラビアが載っていて、ちょっと違和感を感じる。
そして、見出しに躍る「相手・仕事・恋愛を思いのままに操る」「コントロール」「誘導」「優位性」「テクニック」という言葉に、うさんくささと嫌悪感を抱いた。
人の心を操るなんて詐欺師か、政治家か。私はそんなことしたくない。
(じゃあこんな題名の本買うなっ!)
しかし本文を読むと、なるほどと納得することが多い。
詐欺師まがいの騙しのテクニックではなく、心理学、脳の働き、無意識など納得できる内容が書いてあった。
(私の心ももう彼に操作されているのかもしれないが)
コミュニケーションの達人を目指すのが目的なのだ。
でも、実際の場面で応用できるかどうかは別問題だろう。
微妙な目や筋肉の動きで判断するとか、冷静な観察眼と頭の回転の良さ、そして修行が必要な難しい手法だと思った。
でも、できる範囲で自分の生活に取り入れられるのではないか。
例えば、人のちょっとしたしぐさや表情からその場の空気を読むということは、私には必要かもしれない。
ただ、最後まで「テクニック」という言葉には馴染めなかった。
付属のDVDは、表紙にあるようなフォークの先をあちこちに曲げたり、人が選んだものを当てたりといったパフォーマンスとその解説を短くまとめたものだった。
見たら、実践したくなるではないか。
早速友人たちに、右手か左手に小物を持ってもらい、どっちに入っているか当てるというのをやってみた。
1/2の確率なのに、本に書いてあることを実践したのに、全て外れてしまった。
(すべて外れるというのも我ながら凄いと思うが)
次は、言われた通りの方法でスプーン曲げに挑戦してみる。
てこの原理を応用するだけで簡単らしい。
彼はいとも簡単にやってのけるのだが、・・・全く動かない。ちっとも曲がらない。
使い物にならなくなるかもと、いらないスプーンを選んだのに。
私の修行が足りないのか?
本当の手の内は見せないために、重要なことは書いていないのか?
凡人には本の内容を実践することはできないのか?
それとも、やっぱり彼は魔法使いなのかもしれない。
2012年4月25日水曜日
2012年4月24日火曜日
おやすみラフマニノフ
おやすみラフマニノフ
中山七里著
宝島社文庫
時価2億円のチェロが完全密室の部屋から忽然と姿を消した!音楽大学を舞台にした音楽ミステリー。音楽を聴くより音楽に浸れる・・・かもしれない
名器ストラディバリウス---時価2億円もするチェロが、愛知音大の楽器保管室から姿を消した!
理事長の孫娘で、才能にも恵まれている柘植初音が定期演奏会の練習用に借りていたものであった。
バイオリン担当の城戸昌は、授業料も滞納しバイトと練習に忙しい中、事件に巻き込まれていく。
「さよならドビュッシー」で、父は検事正、自身も司法試験トップ合格するも、現在は愛知音大で講師をする天才的ピアニストの岬洋介が探偵役を務める音楽ミステリー。
(登場人物が重なるだけで、続き物ではない。)
著者は男性で、「音楽の通信簿は常に「2」だった、ピアノはいまだに触ったことがない。見たことがある程度」らしい。
長男がピアノを専攻しているため、そこから情報を得ているという。
一つの事に情熱をささげる主人公の話に、夢中になったことはないだろうか。
古くは「あしたのジョー」「エースをねらえ!」などのスポ根漫画、「ガラスの仮面」等の演劇、その他バレエの話、料理や囲碁・将棋の話もあった。
主人公が努力しながらも成長していく物語に、その分野の「うんちく」を織り交ぜながら続いていくというストーリー。
私は、そういう話が大好きで、夢中になってしまう。
そして、すぐはまる。
この本も事件が起こり犯人がいるのだから、ミステリーといえるのだが、音大生の苦悩と成長を描いたスポ根系の物語なのである。
こう見えても私は、幼稚園の頃から7年間ピアノを習っていたのだが、残念ながら才能のかけらも見当たらなかった。
いまでも、聴くのは好きなのだが、歌も音痴で楽器も演奏できない。(ピアノすら弾けない。)
クラシック音楽を聴いても、楽しむことはできるのだが、情景が浮かぶこともなく、ましてや「あっ、ここ主題部分だ。弦楽器が主導権を握っている。長調だ、短調だ。」なんてわかるわけがない。(先生ごめんなさい。)
しかし、この本の中でなら、そういうことが丁寧に描写されているので、音楽を聴かずに「ふんふん、なるほど。」とか「素晴らしい演奏だ!」と音楽を味わうことができるのである。
著者が音楽家ではないというのが信じられないくらい、演奏シーンは心を揺さぶる。
もともと音楽的素養がある方は、実際の音楽を聴いた方がいいに決まっている。
でもそういう能力のない私は、この本で感動を味わうのである。
読み終わった今でも、高揚している。
音楽を聴くより、音楽に浸ることができたいい本だった。
中山七里著
宝島社文庫
時価2億円のチェロが完全密室の部屋から忽然と姿を消した!音楽大学を舞台にした音楽ミステリー。音楽を聴くより音楽に浸れる・・・かもしれない
名器ストラディバリウス---時価2億円もするチェロが、愛知音大の楽器保管室から姿を消した!
理事長の孫娘で、才能にも恵まれている柘植初音が定期演奏会の練習用に借りていたものであった。
バイオリン担当の城戸昌は、授業料も滞納しバイトと練習に忙しい中、事件に巻き込まれていく。
「さよならドビュッシー」で、父は検事正、自身も司法試験トップ合格するも、現在は愛知音大で講師をする天才的ピアニストの岬洋介が探偵役を務める音楽ミステリー。
(登場人物が重なるだけで、続き物ではない。)
著者は男性で、「音楽の通信簿は常に「2」だった、ピアノはいまだに触ったことがない。見たことがある程度」らしい。
長男がピアノを専攻しているため、そこから情報を得ているという。
一つの事に情熱をささげる主人公の話に、夢中になったことはないだろうか。
古くは「あしたのジョー」「エースをねらえ!」などのスポ根漫画、「ガラスの仮面」等の演劇、その他バレエの話、料理や囲碁・将棋の話もあった。
主人公が努力しながらも成長していく物語に、その分野の「うんちく」を織り交ぜながら続いていくというストーリー。
私は、そういう話が大好きで、夢中になってしまう。
そして、すぐはまる。
この本も事件が起こり犯人がいるのだから、ミステリーといえるのだが、音大生の苦悩と成長を描いたスポ根系の物語なのである。
こう見えても私は、幼稚園の頃から7年間ピアノを習っていたのだが、残念ながら才能のかけらも見当たらなかった。
いまでも、聴くのは好きなのだが、歌も音痴で楽器も演奏できない。(ピアノすら弾けない。)
クラシック音楽を聴いても、楽しむことはできるのだが、情景が浮かぶこともなく、ましてや「あっ、ここ主題部分だ。弦楽器が主導権を握っている。長調だ、短調だ。」なんてわかるわけがない。(先生ごめんなさい。)
しかし、この本の中でなら、そういうことが丁寧に描写されているので、音楽を聴かずに「ふんふん、なるほど。」とか「素晴らしい演奏だ!」と音楽を味わうことができるのである。
著者が音楽家ではないというのが信じられないくらい、演奏シーンは心を揺さぶる。
もともと音楽的素養がある方は、実際の音楽を聴いた方がいいに決まっている。
でもそういう能力のない私は、この本で感動を味わうのである。
読み終わった今でも、高揚している。
音楽を聴くより、音楽に浸ることができたいい本だった。
2012年4月22日日曜日
江戸の庶民のかしこい暮らし術
江戸の庶民のかしこい暮らし術
淡野史良著
河出書房新社
現代社会にも通じる江戸の暮らし術。貧乏だって、粋で陽気な江戸っ子。私も見習わなくっちゃ!
江戸の暮らしぶりを楽しく解説した本。
「博学ビジュアル版」というだけあって、B5サイズのカラー印刷で写真、図、挿絵がふんだんに使われており、大変わかりやすく楽しい本だった。
究極のエコ生活である江戸の暮らし。
灰は肥料に、流れたろうそくのロウもかき集めてつや出しなどに使い、抜け毛すらかき集めてカツラにする。
リサイクルの仕組みがきちんと根づいていたのである。
私は花粉症なので、ティッシュでいっぱいになったゴミ箱を見て罪悪感にかられる。
屎尿も肥料にと高値で取引されていたが、品質にはランクがあったという。
山手の武家屋敷の屎尿は「きんばん」というブランドで、一方小伝馬町の牢屋の屎尿が一番ランクが低かったらしい。
食べるものでそんなに違う物なのだろうか。
職業も様々。今では考えられないような職業もたくさんあり楽しみながら読んだ。
耳垢取りの名人もいて繁盛していたという。やってもらいたいような怖いような気持ちになる。
一番気になったのは、「屁負い比丘尼(へおいびくに)」という耳がよくなければ勤まらなかった職業。
立派な家柄の奥方や娘に付き添って雑用をこなすのだが、中でも一番重要な仕事は、奥方や娘が放屁をしたときに、自分がしたことにするのが役目だった。反射神経と演技力も必要な難しい職業かもしれない。
身寄りのない老人は大家を中心にみんなで面倒をみる。
心温まる話と思ったら、実は長屋から餓死者が出ると町奉行からお咎めを受けるという理由もあるらしい。
「宵越しの金は持たない」江戸っ子は、ぎりぎりの収入でも「金は心を満たすために使うもの」と見栄を張ったり、なけなしの金を富くじのビッグな夢に馳せてみたり、憎めないおかしさがある。
楽しみながら江戸の町を勉強できるいい本だった。
淡野史良著
河出書房新社
現代社会にも通じる江戸の暮らし術。貧乏だって、粋で陽気な江戸っ子。私も見習わなくっちゃ!
江戸の暮らしぶりを楽しく解説した本。
「博学ビジュアル版」というだけあって、B5サイズのカラー印刷で写真、図、挿絵がふんだんに使われており、大変わかりやすく楽しい本だった。
究極のエコ生活である江戸の暮らし。
灰は肥料に、流れたろうそくのロウもかき集めてつや出しなどに使い、抜け毛すらかき集めてカツラにする。
リサイクルの仕組みがきちんと根づいていたのである。
私は花粉症なので、ティッシュでいっぱいになったゴミ箱を見て罪悪感にかられる。
屎尿も肥料にと高値で取引されていたが、品質にはランクがあったという。
山手の武家屋敷の屎尿は「きんばん」というブランドで、一方小伝馬町の牢屋の屎尿が一番ランクが低かったらしい。
食べるものでそんなに違う物なのだろうか。
職業も様々。今では考えられないような職業もたくさんあり楽しみながら読んだ。
耳垢取りの名人もいて繁盛していたという。やってもらいたいような怖いような気持ちになる。
一番気になったのは、「屁負い比丘尼(へおいびくに)」という耳がよくなければ勤まらなかった職業。
立派な家柄の奥方や娘に付き添って雑用をこなすのだが、中でも一番重要な仕事は、奥方や娘が放屁をしたときに、自分がしたことにするのが役目だった。反射神経と演技力も必要な難しい職業かもしれない。
身寄りのない老人は大家を中心にみんなで面倒をみる。
心温まる話と思ったら、実は長屋から餓死者が出ると町奉行からお咎めを受けるという理由もあるらしい。
「宵越しの金は持たない」江戸っ子は、ぎりぎりの収入でも「金は心を満たすために使うもの」と見栄を張ったり、なけなしの金を富くじのビッグな夢に馳せてみたり、憎めないおかしさがある。
楽しみながら江戸の町を勉強できるいい本だった。
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