中山七里著
角川書店
臓器移植は「命のリレー」なのか。それとも偽善なのだろうか。
売春婦たちが鋭利な刃物で喉を掻き切られ、臓器を持ち去られる・・・
19世紀のイギリスを恐怖のどん底に陥れた「切り裂きジャック」事件。
挑発的な犯行声明をマスコミに送りつけた、劇場型犯罪だった。
スコットランド・ヤードが全力で捜査するも、未だ犯人は捕まらず。
現在まで生きていれば、120歳は優に超えているだろう。
そんな「切り裂きジャック」を彷彿させる連続猟奇殺人事件が起きた。
一人目は、警察署の目の前の公園で、死体が発見された。
臓器という臓器がすっかり抜き取られて空洞となった状態で・・・
その後次々と猟奇殺人が起こり、マスコミに「ジャック」と名乗る男から犯行声明が届く。
被害者たちは、同じドナーから臓器提供を受けていたことが判明した。
臓器移植を待つ病気の娘を抱える刑事が、犯人に迫っていく。
臓器移植について、移植を受けるまでの過程は注目されることがあっても、患者たちのその後の生き方についてはあまり報道されない。
本書に登場する移植された患者は、「他人の命をもらったんだから二人分頑張れ。少しでもくじけたり怠けたりしたら承知しない。」とプレッシャーがかかるのだと辛い気持ちを打ち明ける。
他人の善意をしんどく感じているのだ。
ああ、そうかもしれないと気づかされた。
先日、iPS細胞から作った目の細胞をヒトの目に移植する臨床研究が承認された。
将来的には、臓器移植は必要なくなるのかもしれない。
・・・そんな事を考えながら読み進めると、最後にどんでん返しの力技で驚きの結末が待っていた!
きっと来る、きっと来る、と身構えていても、見事にやられてしまった。
私が好きな著者の音楽の描写はなかったけれど、読み応えのある一冊だった。
2013年7月17日水曜日
2013年7月11日木曜日
ジヴェルニーの食卓
原田マハ著
集英社
画家を献身的に支えた人々の物語。まさに読む美術品。
本書は、キュレーター経験もある著者が、画家との信頼関係で結ばれた4人を主人公にした短編集である。
有名画家が実名で登場するが、語り手は彼らをそばで見守る人々だ。
マティスの身の回りのお世話をするお手伝いさん。
ドガの壮絶な努力を間近に見てきた友人のアメリカ人画家。
セザンヌに出世払いで画材を提供していた画材屋の娘。
老いたモネを支え続ける義理の娘。
彼らが愛情深く見つめる先に、画家たちの素顔が浮かび上がってくる。
『タンギー爺さん』という物語では、売れない画家たちを温かく見守る画材屋の娘が、セザンヌに宛てて手紙を綴っていく。
セザンヌ自身は一度も登場しないが、彼の才能を信じ絵の具を提供し続ける画材屋の主人と、生活が苦しいながらもそれを赦す家族、そしてセザンヌとの絆が見えてくる。
画家たちの日常生活、作品を生み出す苦悩・・・
読んでいると虚実の境目がどこにあるのかわからなくなり、いつの間にか自分もその時代に佇んでいるような気分にさせてくれた。
たとえ「クロード・モネ」が「山田太郎」という無名の、あるいは架空の画家であったとしても、素敵な物語であることは間違いない。
「楽園のカンヴァス」と同じく期待を裏切らない一冊だった。
集英社
画家を献身的に支えた人々の物語。まさに読む美術品。
本書は、キュレーター経験もある著者が、画家との信頼関係で結ばれた4人を主人公にした短編集である。
有名画家が実名で登場するが、語り手は彼らをそばで見守る人々だ。
マティスの身の回りのお世話をするお手伝いさん。
ドガの壮絶な努力を間近に見てきた友人のアメリカ人画家。
セザンヌに出世払いで画材を提供していた画材屋の娘。
老いたモネを支え続ける義理の娘。
彼らが愛情深く見つめる先に、画家たちの素顔が浮かび上がってくる。
『タンギー爺さん』という物語では、売れない画家たちを温かく見守る画材屋の娘が、セザンヌに宛てて手紙を綴っていく。
セザンヌ自身は一度も登場しないが、彼の才能を信じ絵の具を提供し続ける画材屋の主人と、生活が苦しいながらもそれを赦す家族、そしてセザンヌとの絆が見えてくる。
画家たちの日常生活、作品を生み出す苦悩・・・
読んでいると虚実の境目がどこにあるのかわからなくなり、いつの間にか自分もその時代に佇んでいるような気分にさせてくれた。
たとえ「クロード・モネ」が「山田太郎」という無名の、あるいは架空の画家であったとしても、素敵な物語であることは間違いない。
「楽園のカンヴァス」と同じく期待を裏切らない一冊だった。
お友だちからお願いします
三浦しをん著
大和書房
読めば読むほど親近感がわいてしまう!こちらこそどうぞよろしくお願いします♪
大和書房
読めば読むほど親近感がわいてしまう!こちらこそどうぞよろしくお願いします♪
三浦しをんさんの本を何冊か読んで、オタク度が高めの楽しそうな方だなぁ、と思っていた。
このエッセイ集を読んでいたら、あるある!そうそう!という共感エピソードがてんこ盛りで、より一層親近感が湧いてきた。
こちらこそ、是非ともお友達からお願いしますと頭を下げたいくらいだ。
なにせ冒頭で、体重増加に至った問題点を
「決意したことを三日間続けることすらできない」
「動いた以上によく食べる」からだと分析するしをんさん。
こ、これは私と一緒じゃないかっ!
わが心の故郷・町田出身ということもあり、ロマンスカー始め小田急線沿線や町田の街並みについても、読みながら懐かしい思い出でいっぱいになる。
運転が苦手なタクシー運転手に当たってしまい、盛大にクラクションを鳴らされたり、対向車と激突しそうになったりと、ついてない出来事もサラッと笑えるエッセイに仕上げてしまう。
カーナビが「700m先を右折です」と言ってるのに、言った瞬間に曲がってしまう運転手さんには笑ったなぁ。
どうしてこうも面白い小ネタをたくさんお持ちなのだろうか。
きっと、普通の人が気がつかないところに目をつけて、独特の目線で表現する才能をお持ちだからではないだろうか。
びっくりしたのが、青森にキリストの墓があるらしいと聞いて訪ねてみるという話。
キリストは磔刑を免れ、青森の戸来にやってきて「十来太郎」と名乗り106歳まで生きた・・・
キリストの弟・イスキリの耳と聖母マリアの頭髪を葬った墓もある・・・
ついでにピラミッドもある・・・
そして毎年「キリスト祭り」で神主さんが祝詞をあげる・・・
なんだかよくわからない話だが、本当なのだろうか。
お母様と旅行に行き、凄まじいいびきやわがままに「もう2度と母親と旅行などしない」と心に決めたのに、その後もあちこち一緒に行ってらっしゃるご様子に微笑ましく感じた。
「神去村なあなあ」の取材に関するエピソードもあり、しをんさんファンにはたまらない一冊だった。
体重管理への飽くなき挑戦・・・これからも一緒に頑張りましょう♪
このエッセイ集を読んでいたら、あるある!そうそう!という共感エピソードがてんこ盛りで、より一層親近感が湧いてきた。
こちらこそ、是非ともお友達からお願いしますと頭を下げたいくらいだ。
なにせ冒頭で、体重増加に至った問題点を
「決意したことを三日間続けることすらできない」
「動いた以上によく食べる」からだと分析するしをんさん。
こ、これは私と一緒じゃないかっ!
わが心の故郷・町田出身ということもあり、ロマンスカー始め小田急線沿線や町田の街並みについても、読みながら懐かしい思い出でいっぱいになる。
運転が苦手なタクシー運転手に当たってしまい、盛大にクラクションを鳴らされたり、対向車と激突しそうになったりと、ついてない出来事もサラッと笑えるエッセイに仕上げてしまう。
カーナビが「700m先を右折です」と言ってるのに、言った瞬間に曲がってしまう運転手さんには笑ったなぁ。
どうしてこうも面白い小ネタをたくさんお持ちなのだろうか。
きっと、普通の人が気がつかないところに目をつけて、独特の目線で表現する才能をお持ちだからではないだろうか。
びっくりしたのが、青森にキリストの墓があるらしいと聞いて訪ねてみるという話。
キリストは磔刑を免れ、青森の戸来にやってきて「十来太郎」と名乗り106歳まで生きた・・・
キリストの弟・イスキリの耳と聖母マリアの頭髪を葬った墓もある・・・
ついでにピラミッドもある・・・
そして毎年「キリスト祭り」で神主さんが祝詞をあげる・・・
なんだかよくわからない話だが、本当なのだろうか。
お母様と旅行に行き、凄まじいいびきやわがままに「もう2度と母親と旅行などしない」と心に決めたのに、その後もあちこち一緒に行ってらっしゃるご様子に微笑ましく感じた。
「神去村なあなあ」の取材に関するエピソードもあり、しをんさんファンにはたまらない一冊だった。
体重管理への飽くなき挑戦・・・これからも一緒に頑張りましょう♪
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